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ニーアオートマタをプレイした話

2022/11/30

ゲーム 長文 日常



 
 
 
 
 
 
 
 




NieR:Automata、クリアしました。

全部のエンディング回収したとかではありません。一応、トゥルーエンドを終わらせたということで、好きなことを書きにきました。

まず、めちゃめちゃ良かったです。
世界観、音楽、アクション操作、雰囲気と言いますか空気感、どこをとっても良かったです。
度々「美しい」と言葉が漏れた。綺麗、ではなく美しい。
珍妙不気味に見える機械生命体も、愛嬌があり、それでいて恐ろしい。時として愛らしくも見える不思議。
それは何故か、そこに言葉や動きを介した感情表現があるから、ですかね。
全体を通して存在している心の在り処を問い、追うストーリーも大変趣深くて苦しかったです。
そうなんです、苦しかったです。
周回が前提となるタイトルですので、1周目はすんなりと受け止め終わることができました。
美しいレリーフのようなルートでした。
2周目は、そのレリーフを内部から覗き込むかのようなストーリーでした。
ここまでは、違和感を覚えつつも、アクションと展開のテンポの良さ、面白さに惹き付けられて楽しく進めることができました。
この合間にも、命・心の在処は問われ続けます。
人類に宿る命がないものは生きていると言えるのか?その存在に宿る心は果たして本物の心なのか?
わからん。わからないからその先が知りたい。このゲームが指し示す在処は何なんだろう。そういう好奇心でした。

そう、好奇心でした。
すらっとした素敵なスタイルのお姉さん、2Bが華麗なアクションを決めてくれる1周目。
続く2周目は、2Bと一緒に任務を越えてきた9Sの視点で進めていくことになります。
好奇心の強い9S。好奇心の強すぎるかもしれない9S。
でも、プレイヤーも、好奇心に引かれるままゲームというのをプレイするのかもしれない。
この物語の先が知りたい。戦いを抜けた先に何があるのか知りたい。
それが、必ずしも綺麗なものとは限らない。

ここで一応言っておきますが、僕はレプリカントもドラッグオンドラグーンシリーズも未プレイでございます。
しかし、なんと言われてるかは知っています。知っていましたが、わかってませんでした。
俺は何もわかってなかった。オートマタで丸いのか、なるほど。

話を戻そう。
さて、Cルート目。
すごい。どうしてこんなことするののオンパレードすごい。
でもつらくはないのよ。いや、つらいけど。つらいけどさぁ。
つらくはないけどさ、なんでこう、コントローラー握りながら「これが起こったらやだな」って思っていたことがこう、立て続けに。
俺は何も理解していなかった。ニーアオートマタをわかっていなかった。
AルートBルートで得た美しいレリーフ。それが壊れてしまった瞬間、好奇心は執着に変わります。
執着ではないけどね。復讐と絶望かもしれないけどね。9Sの中では。
でも、プレイヤーの僕はあくまでプレイヤーなので、執着に変わっていました。
この絶望の先で、あのレリーフにまた会えるかもしれない。またあの美しい終わりを見ることができるかもしれない。もしかしたら、また一緒に……そういう執着です。

――全ての存在は滅びるようにデザインされている。

ここで効いてきたのが、……これがキャッチコピーなんかな。これでした。
書きながら頭を抱えている。
壊れた物は戻らないんだなぁ。

余談ですが、途中で深く考えていたのは、機械生命体から生まれた人型の機械生命体・アダムが、憎悪の感情を「宝物」と呼んでいたこと。
心があるから憎悪が生まれる。それは宝物。
宝物だけど、それを持ったもの、持てたものは、片っ端からみな破滅の道を辿っていたんだなぁということ。
パスカルの露骨なまでのくだりで、それを確信しました。
心の在り処とは別に、この徹底した終わりに感銘を受けました。
憎悪を持ったものは破滅する。操作する人物もまた然り。
今となっては、「人型の機械生命体」なんて言葉でさえ、何か虚しい気がしてきますね。アンドロイドと何が違うって言うんだ、と。

そんなわけで、途中で目から光がなくなりました。こう、なんて言ったらいんだろう。光がなくなりました。
でもゲームとして面白い。すごいよ、コントローラーはめちゃめちゃ捌ける。
俺ってゲーマーだったんだな。みたいになった。無表情で手の動きだけがバシバシバシって感じだった。
なかなかないよね、あの感じは。
すごく久し振りに感じた。久し振りにそういう進め方をした。
取り憑かれていたのかもしれない、という風に思う。
取り憑かれるゲームソフトというのはね、決まって名作なんだ。

故に、1週間、あえて一切やらない期間を設けました……
いやー、持っていかれてたなぁ。重ねて申し上げます。そういう状態になるゲームソフトは、本当に名作です。
ですが、同時に危険でもある。
もしもあの先に、これ以上ショッキングなことが起きたら――そういう気持ちが先立ったので、間を置きました。
正解でした。
正解だったけど、それも含めて本当に良いゲームでした。
それがCエンドの感想です。

CエンドとDエンドで終わっても良かった。
覚悟はしていた。憎悪について考えさせられた結果、そうなると思っていた。
それでも良かった。選ぶのは酷だったな。「選べないよ……」って声出たもんな。
ただし論理ウイルスエンドはぜってーゆるさねー。
あれはまじでぜってーゆるさねーよ。自分がゆるせねーよ。あのエンディングになった自分がゆるせねーよ!!!!!!!!!!!

そんなわけで、トゥルーエンドのEエンドまで辿り付いた今、今にならないと書けない、ニーアオートマタの感想でした。
Eエンドは、あそこまで見たら、最高と言わずにはいられない。とても良いゲームでした。
納得する必要はなく、欲しいならばすべてを壊したっていい。そういうことかと思います。
ありがとうございました。
9Sを壊しながらも、僕はもう一度、2Bに会いたかったんだと思う。
ゲームのプレイヤーとは、なんて残酷なものなんでしょうね。
そこに存在しているものを傷付けながら、それでも物語や攻略の先を望むのが、ゲームのプレイヤーなんでしょう。これだからゲームはやめらんねーな。
心の底から楽しませて頂きましたよ。
ということで、大分長文になったので、ここいらで一度終わります。
落ち着いたら、レプリカントをやりたいものです。


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